「明治」は清廉で透きとおった"公"感覚と道徳的緊張=モラルをもっていた。維新を躍進させた風雲児・坂本龍馬、国家改造の設計者・小栗忠順、国家という建物解体の設計者・勝海舟、新国家の設計助言者・福沢諭吉、無私の心をもち歩いていた巨魁・西郷隆盛、国民国家の形成を目指したかれら"明治の父たち"は偉大であった。本書は、明治草創の精神を捉え直し、「明治国」という人類普遍の遺産を巨細に語りつくす。これは、著者畢生の日本論であり、鮮明な日本人論である。