感性とものをつなぐ、プロダクトデザインの考えかた
私たちの周りには多くのモノがあふれていますが、かんたんに消費されない、長く使われ続けるものは意外と多くありません。大量消費時代と比較して消費行動の様式も変わりつつある現代において、製品は「機能を果たす」だけでなく「気持ちよく使える」「愛着がもてる」といった感性に訴えかけるデザインを必要としています。
本書は、エモーショナルデザインのしくみと具体化の手法を、デザイナーである著者の実体験をもとに解説します。単に機能を果たすだけでなく、使用者に満足感を与えたり愛着を感じさせたりする品質を「エモーショナルデザイン」と定義し、その手法を解説します。
前半では、ドナルド・ノーマンが提唱したエモーショナルデザインの考えかたを学んだのち、SD法によるアンケートなどで得た感性データの評価や分析のしかたを学びます。また、色・形・素材などの物理的な要素と、人の感情のつながりも解説します。後半では、エモーショナルデザインの研究事例や実在するプロダクトから、データや知見をデザインに具体化する手法を学びます、最終的には、読者自身がエモーショナルデザインを実践できるようになることを目標とします。