いわゆる「日本的」な文化が江戸時代に形成されたのはなぜか。近代を準備するどんな要因がつくられたのか。従来の一面的な江戸時代理解を見直しつつ、これらの設問に答える。また著者は、この時代の新しい文化の潮流は、日本が文化的に中国文化圏から独立しようという自己主張であったこと、歴史上国家は中断していて近世にはいって新しい国家が成立したという見解を踏まえて、近代との連続性と断絶性とを広く考察する。