人生を懸けた、恋。
最後に残る記憶があなたなら、
2人で生きられなかった70年も
間違いではなかったーー。
生涯互いへの恋心を抱き続けた貴代子とミツが
仲良くなったのは、女学校中等部3年の時。
心中を図る、たった半年前のことだった。
卒業したら婿養子をとることが決められていたミツに、
貴代子は言ったのだ。
「卒業したばかりのみっちゃんを家に縫いつけるような男なんて
若葉を食い漁る獣も同然だわ」
その言葉から結婚への期待が薄れ、
貴代子の美しい瞳と強い自我に魅了されるミツ。
一方、貴代子は誰かの物になるしかない女の
自分の未来を儚み、ミツを心中へと誘う。
そして、”運命の日”を迎えるーー。
女2人のドラマチック一代記、完結!