• Author宮川健郎
  • PublisherNHK出版
  • ISBN9784140017777
  • Publish Date1996年9月

現代児童文学の語るもの

1950年代末、小川未明らの童話伝統を乗り超え、真に子どものための文学を標傍した児童文学革新の波は、果して何を生みだしたのだろうか。松谷みよ子、佐藤さとるらにより物語性豊かな作品が生み出され、那須正幹、後藤竜二らは、過酷な状況下にある子どもを描き出したが、子どもに与える向日性の文学という軛からの開放は、同時に、児童文学自体のジャンルとしての危機をもたらしている。子どもの世界が大きく様変わりし、大人の文学との境界が曖昧化するなかで、問題群ごとに作品を捉え直し、児童文学革新の40年を問い直す。

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    • Borrowed People