トムはある日、美術館で、
ジャングルにいるトラの絵を見ました。
家に帰るとすぐ、トムは大きな大きなトラの絵を
描きました。
鋭い歯、長いしっぽ、緑色に光る目…。
その夜のことです。
壁のむこうから、トラがやってきました。
トラはいいました。
「さんぽにいこうよ」
「夜は、くらくてこわいよ」というトムを
背中にのせて、トラは夜のなかへと
歩きだしました。
森には、キツネやクマやライオンがいます。
「ぼく、ちょっとこわい」というトムに
トラは、「みんなであそぼう」とよびかけ、
かくれんぼをします。
さらに進んでいくと…?
こわがりなトムは、
トラといっしょに進むことで
すこしずつ、こわさを克服していきます。
子どもの心をファンタジックな手法と
美しい絵で描いた
とびきりすてきな夜の絵本。
アンリ・ルソーの絵から生まれた
心に残る絵本です。