「かあさん、わたしのことすき?」「ええすきよ、だいすきよ。」「どれくらいすき?」世界のどこの子たちもたぶん、あるときふと親の愛情を確かめてみたくなるのではないでしょうか。本書のイヌイットの少女もそう思いました。くじらやつのめどり、狼などの動物を登場させながら、女の子は、くり返しおかあさんに問い、おかあさんもまた、くり返し娘に答えます。"親子の絆"という普遍的なテーマを描きながら、同時にイヌイットの暮らしがいきいきと伝わります。しずかな色調の魅力ある絵は、北極圏の生活を美しくくり広げて見せてくれます。ゴールデン・カイト賞受賞。