全国で唯一、東京・府中刑務所で行われている釈放前受刑者に対する「生活設計・金融講座」の講義記録
社会から隔絶され実態を知ることがなかった刑務所も、時代とともに大きく変わっている。出所直前の受刑者に、貯蓄・投資などの金融知識と、健康保険・年金などの生活設計の基礎知識を教えるこの講座は2007年から始まった。スタートから講師を務めている石森久雄氏が講義の内容を再現。ゼロからの出発ではなくマイナスからの出発になることを自覚している受刑者の反応も紹介する。
さらに、新しいタイプの刑務所PFⅠ(社会復帰促進センター)、車検ができる自動車整備工場のある府中刑務所、ホテルに生まれ変わった奈良監獄など刑務所をめぐる新しい流れや受刑者更生のためのさまざまな取り組みを紹介。刑務所が「治安の最後の砦」ではなく、「福祉の最後の砦」として社会のセーフティーネットを代替している現状も明らかにする。