本書の鏡に映っているのは、過去に膨大な書物のなかに見ていたアメリカであり、そのアメリカを通してみる日本の姿だ。
岩倉使節団の一員・久米邦武『米欧回覧実記』や、江藤淳『アメリカと私』を頼りに、サンフランシスコを歩き、アーリントン墓地を訪ね、大陸横断鉄道に乗る。
否応なく関係を迫られる大国アメリカ。
過去の日本人がどうアメリカを見、刺激を受け、自己規定をしていったのか。
過去と現在を行ったり来たりしながら、アメリカを通して日本のこれからを考える歴史エッセイ。
〓〓僕らは一五〇年以上、翻弄されつづけている。