絶え間なく繰り広げられる複雑な権力闘争。苛烈な現実政治の現場に身を置いた著者が、メディチ家支配下の共和制フィレンツェに焦点をすえながら、波瀾に満ちたフィレンツェの歴史を具体的に叙述していく。叙述される出来事自体の面白さだけでなく、第一級の知性たるマキァヴェッリの歴史認識を知るうえでも興味はつきない。