コウケンテツさんが「料理を作るのが好きだったけど、嫌いになってしまったすべての人へ」向けて書き下ろした、初のエッセイです。料理研究家であるコウさん自身も料理を作るのがつらいと感じることがあると言います。それは日本の家庭料理に求められるレベルがあまりにも高すぎるということ。ワンオペの方が多いということ。せっかく作ったのに報われないことがあるということ。そして一番は”見えざるプレッシャー”があるということです。それは家族のために栄養バランスを考えて作らなければならない、ちゃんと手作りしなくてはならない、インスタントやレトルトを使うことは手抜きをしているような罪悪感を感じてしまうこともあるからです。第一章ではその「作らねばならない」から自由になるためのコウさんの気持ちと世界の家庭料理例を。第二章では理想と現実の間を埋める方法の実践例を。第三章ではレシピ本には載せられないような、コウさんの家のリアルな家庭料理のレシピを紹介しています。読んだあとに料理を作ることに対して少しでも気持ちが軽くなってもらえたら、というコウさんの気持ちがこもった1冊です。