ぼくは、のら犬。
母さんはトラックで人間につれていかれた。ぼくに家族はいない。
ほかの犬からはいじめられてばかり。にげだそうとして、ぼくは車にはねられた。
そうして、ぼくはアナと出会った。
名前もつけてもらった。
「ぼく、エルビスです!」
ぼくとアナ。いっしょにあそびまわり、いたずらをして、わらいころげた日々。
それは、ずっとつづくかと思ったのに……。
―――のら犬エルビスが語る、人間と犬と家族のこと。
「ずっとそばにいて、ぼくもいっしょに泣いてあげる」
犬の気もちをわかっていない、心やさしいあなたのための物語。