宇宙の謎に挑む30年の軌跡
世界が驚嘆したヴィジュアルでその偉業に迫る
ハッブル天体画像傑作選
NASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(ヨーロッパ宇宙機関)の共同プロジェクトとして運用されるハッブル宇宙望遠鏡。1990年、スペースシャトル・ディスカバリー号により宇宙空間に設置され、2020年に30周年を迎えました。
高度約550kmを周回しながら現在も観測を続けるハッブル宇宙望遠鏡は、口径2.4mという大きな主鏡を搭載した反射望遠鏡です。可視光を中心とした波長により宇宙を詳しく探る初めての宇宙望遠鏡であるばかりでなく、赤外線、紫外線での観測にも対応しています。地上の望遠鏡とは異なり、地球の大気や天候の影響を受けずに宇宙の観測を行うことで、星雲や銀河の詳細な姿を写し出すことが可能です。
その観測データは、さまざまな宇宙の謎を解き明かすための情報を天文学者に与えてきました。一方で、一般に公開された数々の美しい画像は長年にわたり世界中の人々を魅了し続け、それまで手の届かなかった宇宙の存在を身近なものとして印象づけています。
本書では、代表的イメージから最新画像まで、ハッブルの鋭眼が見据えた宇宙の神秘を厳選し、30年の軌跡を振り返ります。
監修:渡部潤一(国立天文台 副台長)
執筆:岡本典明(サイエンスライター)