ぼくは息子を腕に抱かせてもらい、目の開いていないその子をじっと眺めた。ようこそ。ようこそ。この世界へ。「日曜日の昼に、生後七日目の赤ん坊がぼくの家にやってきた。それから、人生がガラリと変わった」──ひとり出版社・夏葉社を吉祥寺で営み、著作にもファンの多い島田潤一郎が、幼きものに寄せるあたたかな眼差しと言葉たち。「泣かないで。ちゃんとまわりを見て。こんにちはと言って。ありがとうと言って。ぼくたちの心の中には願いしかない。」──本書「息子とサツマイモ」より
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