日本の最高裁判所は違憲判断から逃げている。「高度の政治性を持つものは裁判所の違憲立法審査権にはなじまず、ゆえに内閣と国会の判断に委ねるべきだ」としている。そこで、憲法と議会制民主主義を守るために、ある組織が国会のなかで大きな役割を果たすようになった。それが「衆議院事務局」だ。
筆者は池田勇人内閣から宮沢喜一内閣まで衆議院事務局職員として「憲法の番人」を務め、その後、参議院議員をも務めた「国会の生き字引」だ。いま「自民一強」が続く国会では多くの問題が露呈しているが、著者が活躍した頃のように衆議院事務局が本来の働きを取り戻せば、日本の民主主義は再び輝く!!