ただ、生きていてほしい――。
揺らぐ命に寄り添う母の、孤独と疎外感。
この社会で不可視化される、「弱き身体」の居場所とは?
記録されてこなかった妊娠出産期の経験をすくいあげ、「母」の定義を解体し、いまを生きる人々の声から、ケアをめぐる普遍的思考を紡ぐ。
【目次】
まえがき
第一章 言葉を失った私と、あなたへの私信
第二章 女たちの館の孤独
第三章 少女たちの変身
第四章 無縁としての女性たち
第五章 失われた子どもたち
第六章 母の彼岸性
第七章 脱コルセット
第八章 養子――たくさんの手のなかで
第九章 父から見たマザリング
第十章 虚無としての母
第十一章 私たちの母へ
あとがき