ひとり静かに逝った老女は、愛した人を待ち続けた昭和の大スターだった(「初恋心中」)。運に見放され、母親を手にかけてしまった息子の心に残る母の言葉(「無器用な男」)。あの戦争で飛び立った青年が聴いた「最後の曲」に込められた想い(「ぴい」)。……謎めいたマスターが旨い酒と肴を出す飲み屋を舞台に繰り広げられる、不思議で切ない物語。
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