本書は、第35回自治総研セミナー「『公共私連携』を考える 介護保険制度20年目の課題」を収録している。今日、子ども食堂、ケアラー問題など無縁社会を活動領域とする様々な市民活動が生じてきた。正の協働の場ではなく、負の協働の場が生じることによって、主体的な市民の活動の活発な領域が生じている。そのため、公共私連携の現実と「公」の可能性について再考してみなければならない。とりわけ社会化と市場化のせめぎ合いの中で七転八倒している介護の問題を、その主体の現状を中心に検証し、その中で地方自治体にはどのような役割が課せられているのかを展望する。