本書は深浦康市九段による居飛車穴熊の戦術書で、相手は四間飛車と三間飛車です。
まずは基本的な形で居飛車の狙いを示したあと、少しずつ形を変えたテーマ図を掲げて、それぞれの攻略方法について伝授してくれました。
序文で深浦九段は「当初は堅くて戦場から遠いという2大要素が売りだった居飛車穴熊も、現代将棋ではプラスαが必要になってきた」と述べています。
確かに現在は「堅さよりバランス」という風潮があり、しかも「トマホーク」の出現など振り飛車の指し方も進歩してきました。
強力な居飛車穴熊とはいえ、固めているだけではなかなか有利にはなりません。
戦型ごとに生じる細かなポイントを理解して、積極的に戦う意識が必要になっているのでしょう。
また最終章では、アマチュアに人気の相穴熊についても四間飛車と三間飛車に分けて紹介しています。
本書を読んで、振り飛車に勝つ楽しさを味わってください。