めまぐるしく変動する社会システムの液状化のなか、従来自明であった「大人」の輪郭、そして「大人になることの道筋」が見えなくなっている。そんな中、学校・社会から浴びせられる「個の自立」、「知力の獲得」の強制は、子ども・若者を一層傷つけ、孤立化させる。大人になることに苦しむ子ども・若者たちの自己形成のために、本書は様々な臨床的空間で、関係性(絆)の築きを探求した労作。