テレビ番組で人気の「池の水ぜんぶ抜く」。生態系での外来生物の増加を受けて、もっぱら“外来生物さがし”をメインにして構成されています。
在来生物と外来生物のことを考えるきっかけになる番組ではありますが、池の水を抜くほんとう理由は、じつは別のところにあります。ひとことで言えば、“洪水が起きたあとの状態をつくる”ためなのです。
2006年から2013年まで神奈川県水産技術センター内水面試験場に勤務し、淡水魚の保護や外来種の駆除などの研究をしてきた著者が、“身近にあるけれど、意外に知らない池の知識”や、“人工的に管理している池の環境を、人の手で整え、いろいろな生物が生息できる豊かな状態にすることの大切さ”を、わかりやすく伝えます。
どんな生き物が見つかるのかを図鑑的に紹介したり、科学的な調査や研究の進め方、池を観察し、状態を見守り続けることの大切さを話したりしながら、身近な環境に生物が豊かにいることの大切さに気づかせてくれる一冊です。