ロンドンの児童養護施設で育った、14歳の少女ホリー。里親になじめず、学校にも居場所を見つけられずに、いつか故郷のアイルランドにもどって、母親と再会する日を夢見ていた。ある日、ホリーは引き出しの隅にしまわれた、ブロンドのウィッグを見つける。ウィッグをつけると、鏡の中の自分はぐっと大人びて、最高にクールでゴージャスな女の子ーーサラスに変わっていた。里親のもとを飛び出し、アイルランドめざしてヒッチハイクの旅に出たホリー/サラス。いくつもの出会いをかさね、記憶のかけらをたどりながら、旅の終わりにたどりつくのは、夢に見たあこがれの地? それとも……?
前作『ボグ・チャイルド』で、イギリス児童文学の最高峰カーネギー賞を受賞──シヴォーン・ダウドの描く、ロードノベルの感動作!