苦労してるのは、わたしばかりじゃない。自分も腹を括ろう!
人気絶頂の噺家三遊亭圓朝、何もかも放り出したい気分でいたが、幕臣で粋人中の粋人成島柳北の姿を見て…。
(第四話「しぐれ迷い橋」)
5つの謎と事件の行方…重版の快シリーズ第6弾!
成島の殿様こと成島柳北は一月前に騎兵頭を辞め外国奉行に。
れっきとした幕臣ながら柳橋では誰もが知る粋人中の粋人。
人気絶頂の噺家三遊亭圓朝は人には言えぬしこりをかかえていた。
だが、あの柳北が今、政治のはざまで苦労を強いられていると知
り、心が少し軽くなった気がする。散々な目に遭っているのは、自分ばかりじゃないのだと。
(第四話「しぐれ迷い橋」)
◆ 著者について
森 真沙子 もり・まさこ
奈良女子大学文学部卒業後、雑誌、週刊誌の記者を経て1979年『バラード・イン・ブルー』で第33回小説現代新人賞を受賞し、文壇デビュー。
以後、近代史や現代史に材を採ったミステリー作品で活躍し、近年では中世、古代史にも範囲を広げ、歴史推理や歴史伝奇作品を精力的に発表している。
◆ 好評既刊
時雨橋あじさい亭 全 3 巻
箱館奉行所始末 全 5 巻
日本橋物語 全 10 巻
( いずれも二見時代小説文庫 )