五十手前で妻を亡くし、息子をも事故で失った郡方の高瀬庄左衛門。老いゆく身に遺されたのは、息子の嫁だった志穂と、手すさびに絵を描くことだけだった。寂寥と悔恨を噛みしめ、韜晦の日々を送るが、それでも藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。「決戦!小説大賞」でデビューし、文芸評論家・縄田一男氏に「新人にして一級品」と言わしめた著者。藤沢周平、乙川優三郎、葉室麟ら偉大なる先達に連なる、人生の苦みと優しさ、命の輝きに満ちた傑作時代長編!
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