復興を支える地域文化を〝くじらまち〟牡鹿半島から考える。「被災地」という渇いた語感とはかけ離れた、生活の営みが浮き彫りとなる。『復興キュレーション 語りのオーナーシップで作り伝える“くじらまち"』続編。
伝統文化でも、民俗文化でも、民族文化、文化遺産でも、観光文化でもない、その土地に暮らすことで育まれる、そして震災というインパクトが引き金となって描きなおされる「地域文化」。この言葉には、動きの中で作り直され続ける文化のイメージという意味が込められています。そして、現代を生きる私たちの、文化をめぐる問題の最前線としての被災地。
あなたにとって、津波、クジラ、ペンギンにあたるものは何ですか?
津 波→人間のスケールを超えた「自然」の時間。
クジラ→ふるさとを形づくった三、四世代ほどにわたる「地域」の時間。
ペンギン→暮らしの営みによる「人生」の時間。
本書は2021年国立民族学博物館特別展の関連書籍です。(国立民族学博物館 特別展 『復興を支える地域の文化 ―3.11から10年(2021.3.4〓5.18)災害からの復興の原動力としての「地域文化」、その再生や再発見、継承についての東日本大震災から10年の営みを紹介。)