パリを愛した写真家の「音楽」と「街角」
フランスの国民的写真家ロベール・ドアノー(1912-1994)による、「音楽」をテーマにした約170点からなる写真作品集です。ありふれた日常から奇跡のように愛すべき瞬間を切り取るドアノーは「イメージの釣り人」と呼ばれ、没後四半世紀以上経つ今も愛されつづけています。
第二次世界大戦後の、つましいながらも音楽にあふれるパリの日常風景、セーヌ川左岸のサンジェルマン・デ・プレ地区を華やかにいろどった歌手や文化人、アーティストのスタジオ、パリ・オペラ座、チェロ奏者モーリス・バケとの交友・・・パリの音楽シーンを、ドアノーのまなざしとともに追いかけます。クレモンティーヌ・ドルディル氏、堀江敏幸氏による論考も収録。
2021年2月5日~3月31日Bunkamura/ザ・ミュージアム(東京・渋谷)、2021年10月23日~12月22日美術館「えき」KYOTOにて開催の展覧会「ドアノー/音楽/パリ」公式図録。
【編集担当からのおすすめ情報】
代表作《パリ市庁舎前のキス》で世界的に有名になったドアノー。パリを繰り返し散策し、撮影を重ねてきたなかで、自然と「音楽」も切り取っていました。
パリの日常を撮り続けた結果、エディット・ピアフ、イヴ・モンタン、ジュリエット・グレコ、シャルル・アズナヴール、マリア・カラスほか、フランスを代表するさまざまなアーティストの肖像が、ドアノーの写真のなかにアーカイブされていきました。音楽に対する事前の知識は必要ありません、著名人のポートレート集ではなく、ドアノーの作品集としてお楽しみください。