憲法施行50余年。占領軍が原案を書き、占領国の絶対権力を背景にして制定された日本国憲法を日本国民はどのように考えてきたのだろうか。制定過程や正統性、改正などをめぐって議論の声を少なしとはしないにもかかわらず、その基本理念は日本国民のあいだに着実に浸透しているように思われる。国民主権と天皇制をはじめ、第9条と戦争放棄、基本的人権、内閣と司法権、地方自治、さらに改正問題や戦後憲法学批判など憲法をめぐる基本問題を明快に問いなおす、憲法を考える現代人のための必読の入門書。