戦後日本の知的リーダーの一人・丸山真男には知られざる第二の専門-「音楽」があった。交流四十余年、思想史・音楽の両分野で丸山に師事した、おそらくは唯一の人物である著者が、いま初めて明かす刮目すべき「丸山真男論」。作曲家ワーグナー、指揮者フルトヴェングラーを切り口に、丸山は歴史と文化、そして「生きることの意味」について、飽くことなく語り続けた。もしかしたら丸山は、人生を二度生きた人かもしれない。