• 著者朝井まかて
  • 出版社徳間書店
  • ISBN9784198946319
  • 発行2021年3月

雲上雲下

「物語が世界から消える?」
子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。
民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う!
「全体の形があらわになった瞬間、
全身に鳥肌の立つような感動を覚えた」
阿部智里(作家)
【出版社からのコメント】
朝井さんと日本各地へ行き、
昔から伝わるお話を聞かせていただきました。
湖や地方の山、遺跡に滝。
ブナ林の中を走り回り、
田んぼの中で
偶然みつけたお地蔵さんを拝んだことも。
そんな四季折々の一瞬一瞬が集められ、
物語となり、生き物のように動きはじめました。
「物語よりおもしろいものがある」
と言われる厳しい時代の中、
朝井さんが命を吹き込んだ“物語たち“は
世界に問いかけます。
物語たちがいなくなってしまったら、
どうするでしょうか?
本作品が、
物語に関わるすべての人に届いたらと
切に願っております。
 昔、むかしのそのまた昔。深山の草原に、
一本の名もなき草がいた。
彼のもとに小生意気な子狐が現れ、
「草どん」と呼んでお話をせがむ。山姥に、
団子ころころ、お経を読む猫、
そして龍の子・小太郎。草どんが語る物語は
やがて交錯し、雲上と雲下の世界がひずみ始める。
――民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。
不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。
〈第十三回中央公論文芸賞受賞〉
(解説:阿部智里)
章ノ一 小さき者たち
草どんと、子狐
団子地蔵
粒や
亀の身上がり
猫寺
章ノ二 勇の者たち
通り過ぎる者
お花
湖へ
小太郎
章ノ三 物語の果て
草どんと、子狐と山姥
神々の庭
空の下
解説:阿部智里

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