深川八幡の祭礼を迎えた江戸の町は、昨今の五人組凶賊の横行に震え上がっていた。そこで立ち上がったのが、岡っ引きは仮の姿、実は北町奉行・遠山左衛門尉景元と、その御落胤と噂の笠井小平太であった。だが、景元がやくざ姿に身をやつして探索を続ける中、小平太は五人組の頭領・馬場陣十郎一派に追われ、匿ってくれたお高と恋仲に-。しかもこのお高、陣十郎が金で譲り受けた美妓だったのだ。二人の未来を賭けて果たし合いへ向かう小平太。すると、さすがは名奉行・景元、この機を見逃さず、吃驚仰天の奇策で敵を欺き、凶賊を引っ捕らえにかかる。ところが、小平太には思いも寄らぬ運命が待ち受けていて…!!国民的人気作家・山手樹一郎による超痛快!時代小説。