本書は『ハンセン病文学全集』から引用した歌(短歌・俳句・川柳)を約千の小見出しで分類し、その五十音順で並べました。本書に掲載された歌は、ある日突然、隔離された少年・少女や若者や幼い子を持つ母親や父親によって詠まれたものです。彼らは日々の喜怒哀楽を巧みに歌に詠み、生き抜きました。亡き者とされた人々にとって、歌は命の証。人はどんな過酷な状況でも誇り高く生きられることを、歌(訴歌)に託して後世に伝えようとしています。