『アウトサイダー』以来一貫して、現代人の精神的貧困の原因とそれを克服する道は何かを問い続けてきた著者が、ユングにその答を求め、オカルト、共時性、易、錬金術、能動的想像等、ユングの神秘的側面に光をあて、その思想体系の発展を伝記と関連させて明快に説いた力作。意識と無意識の分裂こそ精神的貧困の原因であり、その克服の道がユングにあることを示唆する。