天下312年暮れ、藩朱可は、故国・越を出て、徐国へ向かう。十年前に内戦が起きた徐国は今は国名を庚という。彼の地で戦火の中、朱可の父は命を落とした。朱可宛ての手紙には、悲劇の王太子・寿白が遺した徐の〈秘宝〉の在処が記されていた。旅の途中、危機を救ってくれた超美男子・裏雲と、キュートな少女・宇春と行動をともにすることになるが、裏雲にはなにやら思惑がありそうな気配。〈秘宝〉をめぐって、庚軍、裏雲、朱可の駆け引きが続く中、庚が滅亡し、英雄王が凱旋する。徐国再興前夜を描く外伝!