この"事典"は、少なくとも三つの読解の「次元」、あるいは水準を提示している。第一に、数多くの宗教に関する不可欠なデータを含む「客観的」な説明の次元・第二には「文学の」次元。この次元において読者は、ミルチャ・エリアーデが欲していたような宗教史の「ロマン」ではないにせよ、少なくとも宗教という主題に関連する一連の「物語」を読むことができるだろう。そして第三として、諸宗教システムに関して、その類似点と相違点の構造を分析する次元。ディスプレイ上に表示される文字の発光、コンピュータの出力としての私の思考、プリントされて保存されつづけるこれらのページ、これらと同様に本書の三つの次元はいたるところで同時に見られるだろう。