突然降ってわいたように起こったスキャンダルは、まるでギリシャ神話のような家族の悲劇だった――。
かつては「ウディの映画に出演すればオスカーを獲れる」とまで言われ、ニューヨークを象徴する文化人のアイコンとして名声をほしいままにしたウディ・アレン。ハーベイ・ワインスタインのセクハラ暴露をきっかけに世界中に広がる#MeToo運動で、またもやハリウッドを干されている。
四半世紀前に勃発した、元交際相手ミア・ファローの養女への性的虐待のスキャンダルは、法廷闘争にまで発展し、いまもなおミア側との間で泥沼の様相を呈している。ミア・ファローや養女のディラン、ウデイの実の息子であるローナン・ファロー、当時のベビーシッター、ミアの養女でウディの現在の妻スンニたちの証言や記録をもとに、在米20年、ハリウッドを見続けた著者が公正な視点で虐待があったのかどうかその謎に迫る。
永遠に本人にしか分からない謎に、当時の記録をもとに公正に迫る。