小学6年生のヒロキの父親は、10年前、海で溺れて死んだ。母親もまわりのおとなもそのときの様子を口にしようとせず、ヒロキは小さい頃から父のことを知るきっかけをつかめずにいた。しかし、ふとしたことから父親が死んだ日に使われた「写ルンです」を見つけ、親友の新(あらた)とともに写真を現像し、その海を突きとめる。
ヒロキは、中学受験を前に家庭の不和に悩む新の助けを借りずに、たったひとりで父が死んだ海を見にいくことを決意する。
なぜ父親はこの海へ入っていったのか。過失か、それとも―?
心のなかのわだかまりに決着をつけるために、ヒロキがいどんだひと夏のサマー クエスト。