昭和20年 夏。美しき国土に刹那的な声が響く。物語は終幕へ―――。特攻の町、知覧。茶畑が広がり開聞岳が屹立する南九州のこの地には、純真無垢な少年飛行兵達が集う小さな食堂(幸福食堂)がありました。戦局の悪化で『特攻戦』が始まると、出撃を控えた特攻兵達が主人公(嶋田栄子)家族が営むこの食堂で、最後の夜を過ごすのでした。そして、栄子の幼なじみの井田 保も、その一人で……。
しかし、若者達が命を投げ打っても戦局は打開できず、日本は運命の8月を迎えるのでした。知覧に実在した『富屋食堂』をモデルに描く哀切の物語。日本で一番長く、哀しき夏が、万感あふれ描かれます。涙あふれ、ホタル帰る、最終巻。