この悲劇を知らずにいていいはずがない―。終戦前後の満州で何が起きていたのか、語られることのなかった満州開拓の凄惨な記憶。戦後20年に帰還者の証言を集め、信濃毎日新聞が世に放った衝撃の連載記事を、再び書籍化する。国策の名の下に海を渡った長野県開拓団のうち、特に過酷な運命をたどった「高社郷」や「更級郷」をはじめ、貧しい農村部からの団の過酷な結末を再現する。反戦ジャーナリストむのたけじ氏にちなむ「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」で第1回大賞を受賞したTVディレクター黒崎正己氏による解説つき。当時の満州政策を教訓に現代への警鐘を鳴らす。