宗教学とは何か。これについて本書は、次の三つの観点から考察する。一つは、事実を客観的に取り上げて主観的な価値判断を避け、二つは、宗教を人間の生活現象の一局面として捉え、三つは、特定の一宗教ではなく複数の多宗教を資料として取り扱う。変幻自在の怪物のような世界の宗教現象を、見事なスタンスとバランス感覚を生かして、社会的人間として必要な宗教の基本知識を詳述した待望の入門書。