大乗の教えをつきつめた先に現れる深秘の思想、密教。宇宙の真理と人間存在の真実を追究する、その精髄とはなにか。心のありかたを説く『大日経』住心品、真言宗などで読誦(どくじゅ)される『理趣経』、それらの奥義を理解するための注釈書『大日経疏』と『理趣釈』。詳細な語釈を添え現代語訳を施した密教の代表的経典をとおし、その教義と真髄を明らかにする。(講談社学術文庫)
大乗仏教をつきつめた深秘のおしえ
人間と宇宙の一体化 その教義と行法を読む
大乗の教えをつきつめた先に現れる深秘の思想、密教。宇宙の真理と人間存在の真実を追究する、その精髄とはなにか。心のありかたを説く『大日経』住心品、真言宗などで読誦(どくじゅ)される『理趣経』、それらの奥義を理解するための注釈書『大日経疏』と『理趣釈』。詳細な語釈を添え現代語訳を施した密教の代表的経典をとおし、その教義と真髄を明らかにする。
勝上の大乗の句と 心続生の相とは
諸仏の大秘密にして 外道は識る能わず
我れ今悉く開示せん 一心にまさに諦聴すべし
最勝にして無上の偉大な教え〔大乗〕の句と、心の連続のすがたとは、もろもろの仏の大なる秘密であり、仏教以外の者はこれを知ることができない。わたしは今、残らずこれを開き示そう、ひたすらにまさしく明らかに聴くがよい。――<本書「大日経」より>