NHK連続ドラマ化! 民放で話題沸騰!
海外メディア(CNN、BBC)も取材に来た「洞窟オジさん」の少年時代物語
ひとりぼっちの家出少年と1匹の犬ー
戦後間もない日本にあった感動の実話
「シロ、ここがぼくたちの家だ。”隠れ家”かな」
世の中から隔絶した山の中で、毎日が狩猟と空腹とのたたかい。
それでも少年と犬は “心を通わせながら”生き続けた。
毎日、ぼくが頭の中に思い浮かべることは、ただひとつだけ。
ふっかふかの布団で寝ることでもなければ、お湯がいっぱいの五右衛門風呂に入ることでもない。
“食べ物を見つけること”
今日という一日を生きのびるために植物から動物でもなんでも食べられるものを
自分で探し出して確保しなければならないこと―、ただそれだけだった。
いつもシロを連れて山を登り、獲物を捕まえるためにワナをあちこちに仕掛けている。
だけどまったく獲物がとれないことなんて当たり前。
二日、三日間、食べ物がなくて空腹のまま過ごすことだってあるのだから。
(本文より)
この物語は、主人公の加村一馬さん自身が読者のみなさんに語りかけるよう一人称の表現方法にしてみました。
執筆する前、作者の私(祓川)は加村さんとお会いして少年時代に体験された出来事をなんども取材を重ねていく中で、
加村さんが「ぼく」として語るのが読者のみなさんに言葉が届き、心に響くと思ったからです。
少年だった加村一馬さんと愛犬のシロが、洞窟や山でどのような生活をして時間を過ごしたのか、
物語からみなさんもいっしょに感じていただければ、作者として幸せです。
きっと想像もしなかった世界が待ち受けていると思います。(はじめにより)
もくじ
はじめに
お墓でひとりぼっち
シロがやってきた
家出
ひとり、足尾銅山を目ざす
サバイバル生活がはじまった
食べ物を探せ
シロがウサギを捕まえてきた
イノシシとのたたかい
命を救ってくれたシロ
さようなら、シロ
たったひとりのたたかい
ぼくの帰る場所
あとがき