• Authorアレックス・ベアード 岩崎晋也(翻訳家)
  • Publisher東洋館出版社
  • ISBN9784491035895
  • Publish Date2021年7月

最先端の教育世界を変える学び手

創造的な教育を求めて、世界中を駆け巡る!
■「学ぶことは人類の受け継いできた本能的なスキルである。」
人類は学びを積み重ねて、さまざまな技術を磨き、進歩してきた。しかし、教育現場は人間の進歩との接触を失っている上、最先端の教育技術や理論をシェアすることも乏しいのが現状だ。
イギリスの高等学校の教師だった著者のAlexBeardは、世界20か国以上を訪問し、教育の達人たちから、人工知能を用いた学習法や幼児の脳の理解の高まりにある理論など、最先端の教育の現在地を網羅的に調査した。
例えば、アメリカ・ロサンゼルスのメルローズ小学校併設の幼稚園では「iPadのジェダイ」と呼ばれる、ウィリス先生の授業を見て、「大事なのはAIだけではなく、『人間+機械+巧みなデータ処理』」であることを気付く。
ウィリス先生のクラスでは、画用紙やクレヨンと同じようにiPadが存在している。5歳の園児を指名すると、ブルートゥースでプロジェクターに接続詞、動画を流し始めた。それは絵本を紹介する簡単な動画で、自分一人で作ったという。音声が入っていなかった別の子には録音ボタンを一緒に押してあげ、音声を入れなおして再編集し、わずか2分ほどで動画を作り上げた。
ウィリス先生にiPadのよさを尋ねると、「紙飛行機をつくろう」という活動のことを聞いた。家族や図書館の本ではなかなかいい解決策がなかった。そこでiPadを使うようにサポートしたところ、フロリダの紙飛行機が大好きな7歳の子どものビデオブログが見つかり、子どもたちは紙飛行機をつくることができるようになったという。テクノロジーを使うことを前提としていなかったタスクでも、そうしたことが可能になる。
「テクノロジーは子どもができることを増やすけれど、それは教師の直接の指導も同じ。誰が、どう使うかが重要だ」。ここにいる5歳児たちは、iPadが学習への入り口であることを理解している様子だった。
■教育の最前線での共通点を明らかに
〈主な取材先〉
KSA、ガリオンズ小学校、スクール 21、KSA、キングソロモンアカデミー(以上、イギリス)、 KIPP、MIT メディアラボ、ブレイクスルー校、ペングリーン幼児センター、ハイテック・ハイ、サミット(以上アメ リカ)、ヒーデンキビィ基礎学校(フィンランド)、大学入試事情(韓国) …etc
最先端の教育現場を訪れ、いろいろな試行錯誤に触れたうえで、著者は以下の3つの共通した発想に気付く。
 新たな視点で考える
 能力を高める
 人を思いやる
本書は、21世紀の学習を変革するためのユーザーガイドであり、私たちのより良い未来へのアクセスへのロードマップなのだ。
「いまから50年後、私たちは教師を現在の医者のように尊敬しているだろう。
(中略)教師は誇りにあふれ、自主的で高い技量を持ったプロフェッショナルであり、   
学習というものに精通している。」(本文

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