第137回芥川賞 第50回群像新人文学賞 W受賞!
選考委員各氏激賞!
村上龍氏以来、30年ぶりの快挙! 驚異の新人出現!
吃音(きつおん)による疎外感から凡庸な言葉への嫌悪をつのらせ、孤独な風狂の末に行方をくらました若き叔父。彼にとって真に生きるとは「アサッテ」を生きることだった。世の通念から身をかわし続けた叔父の「哲学的奇行」の謎を解き明かすため、「私」は小説の筆を執るが……。
1度読んで楽しむだけでなく、繰り返しめくれば、あちこちに新しい発見がある(中略)個々のエピソードが光っていて、音に身を寄せた精密な言葉送りに頭の中がからからと明るくなった。――多和田葉子氏
日常の文脈を脱臼させる奇声をあげずにいられない「叔父」の、喜劇的にして悲劇的な生の感触が、そこには鮮烈に描出されている。――松浦寿輝氏
――<群像新人文学賞選評より>