きれいなおねえさんが自転車のカゴにのせているたくさんのパン。
おいしそうなにおいに誘われてついていくと、そこには素敵なパン屋さんが。
小さなマートくんが体験した、不思議なものがたり・・・。
小さな男の子マートくんが、将来コックさんになるきっかけは、不思議なパン屋さんでの出来事でした・・・。
パンづくりの上手なおねえさんの正体は、なんと・・・?
招かれた子どもたちの運命は・・・?
スリルとやさしさと夢にあふれる物語。
本書は、作者、たざわたえこさんのご主人が中心となって、クラウドファンディングで資金を募り、出版された絵本です。
たざわたえこさんは、アルコール依存症を患って帰らぬ人となりました。
遺品の中からみつけた本書の草稿に、彼女の二人の息子さんへの深い愛情を感じたご主人の、亡き妻への愛と、同じ病に苦しむ人々への祈りを込めた絵本となって出版されました。
<新刊モニターの感想>
〇まじょの存在を通して、一つ悪い面があるからといってその人の全てが悪いのではないということを考えさせられました。まじょは子どもにとって恐ろしく怖い思いをさせた悪の存在だと思います。一方で、まじょが焼いたパンは、マートくん自身をコックに導いてしまうほどの美味しいパンで、怖かった思い出を超えて未来を明るくする気持ちを与えたのですから。そして、まほう使いのおじさんがまじょがつくったパンを食べてみるように伝えたことがまじょの素敵な一面を引き出してくれたと感じます。おじさんのような良さを引き出してくれる存在も大切なのだと思いました。
(べてぃ・20代女性)
〇お話に登場する悪い魔女、魔法使いのおじさん、ふわふわのパン、不思議なジュース・・・子供心をくすぐる要素が散りばめられていて、私自身も子供に返ったような感覚でドキドキ、ワクワクしながら拝読させていただきました。
またあとがきにて作者の事情を知ったときは、大変おどろきましたが、これまで作者のことを支え続けたご家族の思いや、闘病中にこの作品を書き上げた作者の気持ちを思うと心打たれるものがありました。この絵本を通じて、真のやさしさに触れられた気がします。
(香和里・30代女性)