ここには詩というかたちで、日本の民衆が自己を発見し社会を見出した記録がある。書き手は、療養者、海上労働者、銀行員、農民、教師、学生、主婦とひろく、主題は、広島からベトナム戦争まで多彩で、民衆が体験した戦後史である。それは、言葉の技術によってではなく、心の葛藤の深さによって読む人を感動させる。