紀元前のシュメール時代から、女性たちはビールを発明し、エジプト文明では蒸留器を考案、中世では薬草を扱い「命の水」を蒸留した。アメリカでは独立戦争で傷ついた兵士を女性たちが蒸留したウイスキーで癒した。南北戦争中、戦地に駆られた男性に代わって、バーボンの味を守ったのは女性たちだった。男性中心の酒の歴史を相対化するだけにとどまらず、酒の歴史に登場する女性たちの実像に迫り、ヴァイタリティ溢れる不屈のその姿を浮き彫りにする。