自保ジャーナル　No.2090　2021.7.22

①43歳男子主張の脳脊髄液漏出症は起立性頭痛なく漏出画像等も認められないと否認し、胸郭出口症候群は典型的な臨床所見が現れていたとは認められない等から否認した ②駐車中に逆突された51歳男子の左上肢の症状を胸郭出口症候群の発現とし本件事故により線維性の組織に生じた外傷性変化は半年以上にわたって継続するとは認められないと後遺障害の残存を否認した ③自転車搭乗中に被告乗用車が開けた左前ドアに衝突された40歳代女子原告の自賠責14級9号頸部痛及び同12級13号めまいの併合12級後遺障害と本件事故との因果関係を否認し原告自転車の過失を1割と認定した ④聴覚障害で身体障害者2級の18歳男子大学生Aの死亡逸失利益を優秀な成績等から労働能力について最良の評価も職業選択の幅に一定の制約があるとセンサス男子大卒全年齢平均の9割を基礎収入に認定した ⑤事故約1年1ヶ月後に胸腹部大動脈瘤により死亡した77歳女子に本件事故による胸腹部大動脈瘤の発症は認められないと否認した ⑥自賠責9級16号顔面醜状を残す50歳代男子バス運転手の後遺障害逸失利益を労働能力を低下させるとは認められないと否認し、後遺障害慰謝料840万円で考慮した ⑦徐行中に後方から進行してきた被告車両の左ドアミラーに右ドアミラーを接触された衝撃は相当軽いもので身体に傷害を生じさせるとは認められないと原告らの受傷を否認した ⑧丁字路交差点に左折進入して直進被告乗用車に衝突された原告自転車に一時停止規制違反及び道交法に違反した左折方法から4割の過失を認定した ⑨住宅街の丁字路交差点を小走り横断中に路線バスに轢過された7歳男子小学生の過失を15%と認定した ⑩エンジンが停止し走行不能になった被保険車両を自動車販売兼修理業者Yに運搬を依頼し代車を借り受けたとする保険金請求はYらの共謀の下での偽装事故と認め甲損保の調査費用を損害と認定した ⑪77歳男子が自転車で車道から自転車･歩行者専用道路に進入の際に5㌢㍍の段差部分で転倒受傷は本件専用道路が通常有すべき安全性を欠いた状態であったとはいえないと被告自治体の道路設置又は管理瑕疵を否認した ⑫訴訟上の和解成立後に原告らの錯誤による本件和解の取消の主張は原告らに社会通念上重要な錯誤があったとはいえないと否認し本件訴訟は和解により終了していると認定した ⑬Y自転車に衝突された59歳女子主張の担当医師Zの右股関節唇損傷及び右胸鎖関節亜脱臼を発見すべき注意義務違反を否認し、原告のYに対する損害賠償請求権は本件合意により消滅したとして請求を棄却した