「だれもぼくに気がつかないんだ。ぼくが空にのぼる意味があるのかな」子どもから大人まで楽しめるお月さまの絵本。月たちは、毎日じゅんばんに空にのぼって、夜空にあかりをともします。「ぼくに話しかけてきた子がいたんだ」「ぼくは犬にほえられた」「こねこが自分の影をおいかけてあそんでいたんだよ」月たちが楽しそうにおしゃべりしている中、新月はしょんぼり悩んでいました。空から笑いかけても話しかけても、知らんぷりされてしまうのです。なにかいい考えはないかと、月たちは会議をはじめました。そして、いろいろ試してみるのですが……新月は、一生懸命考えてくれたみんなのために歌をうたいはじめました。だれにも見てもらうことができなかった新月が、うたうことで輝きはじめます。