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  • 著者ジョゼ・サラマーゴ 木下眞穂
  • 出版社書肆侃侃房
  • ISBN9784863854819
  • 発行2021年10月

象の旅

象は、大勢に拍手され、見物され、あっという間に忘れられるんです。
それが人生というものです。
ノーベル賞作家サラマーゴが最晩年に遺した、史実に基づく愛と皮肉なユーモアに満ちた作品。
1551年、ポルトガル国王はオーストリア大公の婚儀への祝いとして象を贈ることを決める。象遣いのスブッロは、重大な任務を受け象のソロモンの肩に乗ってリスボンを出発する。
嵐の地中海を渡り、冬のアルプスを越え、行く先々で出会う人々に驚きを与えながら、彼らはウィーンまでひたすら歩く。
時おり作家自身も顔をのぞかせて語られる、波乱万丈で壮大な旅。

「ささやかで不条理な奇跡の連続、諦念と温かさに満ちた深い知慮が引き起こす小さな笑い」
(アーシュラ・K・ル=グウィン)

「サラマーゴが、その人生の終わりに近くで書いた、愛嬌たっぷりの作品。『象の旅』は皮肉たっぷりで共感を豊かに誘う語りの中に、人間の本質についてのウィットに富んだ思索と、人間の尊厳を侮辱する権力者への揶揄を定期的に挟み込んでくる」(ロサンゼルス・タイムズ)

「サラマーゴは(……)この奇妙ながらも読み進めずにはいられない物語を紡いだ。サラマーゴがシュールで魅力的な散文の巨匠としてこれからも人々の記憶にのこるのはなぜか、この物語が完ぺきな例である」(GQ)

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