三世代の記憶を紡ぐ初めての自伝エッセイ集
『本の窓』人気連載を元に、昭和、平成、令和 にまたがる三世代の記憶を紡いだ、著者初めての自伝エッセイ集。
-目次より-
「父のどんぐり 」「母の金平糖 」「風呂とみかん」「ばらばらのすし」「やっぱり牡蠣めし」「悲しくてやりきれない」「饅頭の夢」
「おじいさんのコッペパン」「眠狂四郎とコロッケ」「インスタント時代」「ショーケン一九七一」「『旅館くらしき』のこと」「流れない川」 「民芸ととんかつ」「祖父の水筒」「場所」「父のビスコ」ほか。
「金平糖が海を渡り、四人きょうだいが赤い金平糖の取り合いっこをする日が来ていなければ、いまの自分は存在していない。もし、祖父が帰還できなかったら。もし、岡山大空襲の朝、祖母ときょうだいたちがはぐれたままだったら。もし、爆撃機が焼夷弾を落とす範囲が広がっていたら。『もし』の連打が、私という一個の人間の存在を激しく揺さぶってくる」(「母の金平糖より)。
『旅館くらしき』創業者による名随筆を同時収録。